An Algasta

Syamuさんというyoutuberの発言を書き起こしたり、彼に関する考察を書いてます。

『大人の夜』の気持ち悪さ 打楽器のリズム解析結果

概要

シャムさんがシン名義で2010/10/03 16:19:08に発表された名曲『大人の夜』。氏の他の曲に比べても、特にリズムが掴めなくて気持ち悪いので、そのリズムを解析することにした。
まず、全体の構成としては、24小節目までが前奏で、25~52小節目がミクによるボーカルを含むメイン部分で、53小節目以降がアウトロである。前奏とアウトロからすると、BPMは160で4分の4拍子となる。
問題はボーカルを含む部分にある。
ボーカルは4分の4拍子のような何かで、1小節を4分割するリズムしかないように見せかけて16分音符1つ分のずれなどが多く、今回は解析を断念した。
打楽器は4拍子で5連符が多用されている。2小節3秒ごとにループしているので、25~26小節目のリズムを以下に示した。打楽器は複数の種類の音が含まれているが、ここでは1ループで2回聞こえる手拍子のような音をパーカッション、それ以外を全てドラムと分類した。
ドラム

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パーカッション

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表記はこちらの方が正しいかも知れない。
ドラム

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パーカッション

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ドラムは1拍ごとに同じ音が繰り返されているので、BPMが200になって5拍子になった訳ではなく、BPMは160で4拍子のまま5連符が使われている。
パーカッションが1小節間隔ではないのも大きな違和感がある。
一般に作曲ソフトでは5連符は用意されておらず、5連符を配置するにはその間隔を手動で設定しなくてはならないと思うのだが、もしそうだとすると氏は作曲の方法やソフトの仕様を理解していなかったわけではなく、何らかの狙いがあって意図的にこのリズムを構築したことになる。何故よりにもよって『大人の夜』というテーマで、このようなリズムを用いたのか、私には見当も付かない。

 

解析方法

25~26小節目を切り取ると次のような波形を確認できる。ここではSound Engineを用いた。

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次に、以下に線で示す部分を音の始点であると仮定して、その地点における経過時間を測った。

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最初の黒線の位置を0として、次に来る音の始点と間隔をミリ秒単位で表すと以下のようになる。

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間隔は、A:371ミリ秒程度、B:214~227ミリ秒程度、C:146~160ミリ秒程度の3つに分けられる。BPMは160なので、四分音符の間隔が375ミリ秒であるから、これがAと考えて良いだろう。2拍5連符が150ミリ秒なのでこれがC、付点2拍5連符が225ミリ秒なのでこれがBに相当する。この結果から概要で示したリズムが得られる。
Bを2拍3連符(250ms)、Aを1拍3連符(125ms)としても3000ミリ秒でループするが、そのように仮定すると、以下に黒線で示すように似た波形に対して音の始点が異なってしまうので、5連符で正しいと思われる。

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